この世でいちばん大事な「カネ」の話 / 西原理恵子 | [A] Across The Universe

この世でいちばん大事な「カネ」の話 / 西原理恵子

やっぱりサイバラはすごい。

これは、中学生以上に向けて書かれている本なので、クソ真面目な経済を論じた内容ではない。
でも、読み難い経済の本を苦労して読むよりも、生きていく上でよほどためになる。

生きていく上で「お金」とはどんな働きをするのか。
そもそもお金とは何なのか。

彼女が生まれてから今まで、お金にまつわる様々な「過酷」なエピソードが赤裸々に綴られている。

彼女はまさしく「身をもって」お金の勉強をしてきた。
そう、まさしく麻雀を含めてオカネの勉強。

お金は汚い物などではなく、生きていく上で本当に必要な物。

幸せはお金では買えない。
でもお金がないと幸せになれないことがあるんだよ。
そんな体験を彼女は、「貧乏」と「暴力」は仲良し、と言う言葉で表現している。

みんなが貧乏で、それでも坂の上の雲を目指して希望を持って生きていた時代と、今は違う。


でも、

いざというとき、大切な誰かを安心な場所にいさせてあげたい、と思うなら、

と彼女は言う。


働きなさい。
働いてお金を稼ぎなさい。
そうして強くなりなさい。
それが大人になるってことなんだと思う。


是非中学生から読んでもらいたい。

生きていくということは、本当はこういうことなんだ。
サイバラの言っていることは信じてもいいと思う。



マイナスを味方につけなさい。今いるところがどうしても嫌だったら、ここからいつか絶対抜け出すんだって、心に決めるの。
そうして運よく抜け出すことができたんなら、あの嫌な、つらい場所にだけは絶対に戻らないって、そう決めなさい。
そうしたら、どんな大変なときだって、きっと乗り越えることができるよ。
だってわたしも、そうだったから。





この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)
西原 理恵子
理論社
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おすすめ度の平均: 4.5
3 飯の食える大人になりなさい
5 身を切られるような思いが伝わってくる一冊
5 西原さんを心配してしまいます。
5 西原さんの視点で「カネ」について語ったエッセイ
5 読みました。