その科学が成功を決める / リチャード・ワイズマン | [A] Across The Universe

その科学が成功を決める / リチャード・ワイズマン

非常に参考になる内容だった。

自己啓発系の本を多数読んできたが、自分では気づかないその弊害を指摘してくれる一冊。
自己啓発で主流方法「だけ」ではうまく行かないことが次々に明らかになっていく。

参考までに目次を一部見てみると、
・「自己啓発」はあなたを不幸にする
・イメージトレーニングは逆効果
・ストレス解消法のウソ
などなど

この本の良いところは、そのアラ探しをするだけではなく、新たな方法を提示してくれていること。

例えばプラス思考の罠。
敢えて頭の中からマイナスの事柄を取り払おうとすると、逆にそのマイナスの事柄に取り付かれることになる事実。
この場合の対処法は、「ある種」の文章を書き出してみるといい。
それは「感謝の気持ち」、「理想的な未来」を「愛を込めて」書き出すことだ。
他人に話すのではなく、紙に書き出すことで系統立った問題解決の糸口となる。

もう一つ。
ほめる教育の落とし穴。
自分は実際にほめる教育が良い、と信じていたし今でも家庭では続けている。
では何が良くないのか。
それはほめる際に、結果だけをほめることが間違い。
失敗を怖れてチャレンジしない子供になってしまうからだ。
例えばテストで良い点をとったとしても、点数をほめるのではなく努力の過程をほめるようにすれば良い。

こんな、すぐに使えるヒントがたっぷり詰まった一冊。
とても参考になるが、書名をもう少し変えていればベストセラーになる可能性もあったと思う。



その科学が成功を決める
リチャード・ワイズマン
文藝春秋
売り上げランキング: 1707
おすすめ度の平均: 4.5
5 間違いだらけの自己啓発
4 ポジティブシンキングは効き目がないのか(泣
4 自分のフィルタを見直すきっかけに
4 マユツバと 思うところも あるんだよ
5 邦題通りの内容を持つ良書