[A] Across The Universe -63ページ目

アフターダーク

遅ればせながら、アフターダークを読み終わった。

村上春樹は大好きな作家で「風の歌を聴け」から「海辺のカフカ」までほとんど読んできた。ほとんどの作品で、自己主張が激しくないが自分自身を確立している主人公(男性)や、自己主張が激しそうで実は内省的な女性が、私の心にしっくり入り込んでくるからかもしれない。あるいはこれも全ての作品に通じるテーマとして根底に流れている「死」が、心の深くで反応するからかもしれない。

(たぶん)渋谷での夜(11:56PM)から朝(6:57AM)までの、ある少女と家で寝ているその姉を取り巻く物語。いつものように、はっきりとした結末はない。彼の作品は今までだって明確な結末はなかった。

ファミレス、ラブホテル、売春、暴力、引きこもり、ドロップアウト、家庭。

こうやってキーワードを抜き出すと、現代の縮図が浮かび上がるようでもあり、見えにくかった物語のテーマも明らかになるような気がする。

禁煙セラピー

椎名林檎もこの本で禁煙したとのこと。
読むだけで、それも90%が禁煙に成功、おまけに禁煙する気が無い人にも効果!、とのことで禁煙する気も無いけど、どれだけスゴいか早速amazonで注文。

昨日読了しました。

結果・・・別に今日も普通にタバコ吸ってます。

レビューによると、「禁煙する気」と「素直な心」が必要らしく、禁煙する気も無いのに読んでも意味がないらしい。

ただし、書いてあることはごもっともな内容で、何度か読み返してみる必要があるかもしれない。

えーっ、90%???と言うのが現在の感想。

まるまると まるめまるめよわが心

まるまると まるめまるめよわが心 まん丸丸く 丸くまん丸


この言葉は以前小泉首相がよく使っていたのでご存知の方も多いと思います。

これは、江戸中期の木喰(もくじき)上人のうただそうです。山梨県下部町に生まれ、木喰戒(もくじきかい)という肉食はもちろん、穀物も絶って、木の実や草などのみを食べるという厳しい戒律を立てて実行した修行僧で、93歳で他界するまで、千体以上もの仏像をつくった方です。


せめて自分の心だけは「まんまるく」いたいと思う今日この頃。

Blue Monday

憂鬱な月曜も終わったと思ったら12時を回ってもう火曜日か。

中学生の頃、夜10時から聞いていたNHK-FMの月曜のパーソナリティが佐野元春だった。彼の番組の中でのキメ台詞が「ブルー・マンデーを吹っ飛ばせ」。

その頃は田舎の中学生で、塾にも行かず、人間関係にもストレスを感じない幸せな奴だったため、ブルー・マンデーの意味がよくわからなかった。

先日、職場に産業医がやってきて、うつ病の講義があった。うつ病の傾向の一つに月曜に休みがちになる、と言うものがあるらしい。うつ病ではなくても月曜に職場に行くのが億劫になった経験は誰にでもあるはずだ。最近うつ病の患者が増加しているとの話もあり、これはうつ病に対する認識が広まってきたことも大きな要因だと説明があった。

私は年に一度は必ず、風邪でもないのに出社したくなくなる事がある。そんなときは風邪のせいにして休み、思いっきり寝る事にしている。今日もちょっとそんな感じがあったが、なんとか乗り切った。

心の風邪、とは言い得て妙だ。

立冬

立冬。暦の上では今日から冬の始まり。

二十四節気の一つで、冬は立冬から始まり、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒と過ぎ、2月初旬の立春で春を迎える。

二十四節気の名称は、発明された当時の物がほぼそのまま使われており、当時の文明の中心であった黄河の中・下流域の気候を反映しているため、日本の気候とは一部ずれがあるが、それでも今日から冬の始まり。


猛暑を乗り切ったと息をつく間もなく、10月の台風を含む豪雨。最近澄んだ青空を見られるようになったと感慨深くなっていると冬の到来。

うれしいことがあっても、悲しいことがあっても、私達の住む愛する日本では、時期がくれば必ず新しい季節が巡ってくる。



今年6月にNHKスペシャルで放送された永平寺・宮崎奕保禅師(106歳)のお言葉。


自然は立派やね

わたしは日記をつけておるけれども

何月何日に花が咲いた

何月何日に虫が鳴いた

ほとんど違わない 規則正しい

そういうのが 法だ

法にかなったのが 大自然だ

法にかなっておる

だから 自然の法則をまねて人間が暮らす

人間の欲望に従っては 迷いの世界だ

真理を黙って実行するというのが 大自然だ

誰に褒められるということも思わんし

これだけのことをしたら これだけの報酬が

もらえるということもない

時が来たならば ちゃんと花が咲き

そして黙って 褒められても 褒められんでも

すべきことをして 黙って去っていく

そういうのが 実行であり 教えであり 真理だ

Somethin Else

サムシン・エルス / キャノンボール・アダレイ

キャノンボールがリーダー名義のアルバムだが、誰が聞いても実際のリーダーはマイルス・デイビス。

私は「枯葉」と言えば、このアルバムのこの演奏を真っ先に思い浮かべる。意表をつく導入部分から、マイルスのミュートを利かせたペットが歌いだす。

「かれは、よ」

嘘だと思うなら聞いてみればよい。マイルスのトランペットは「かれは、よ」と歌っているのだ。私にはそうにしか聞こえない。シビれまくりの名曲。


超ブルーノート入門(中山康樹、集英社新書)によると

麻薬中毒でレコーディングの引き合いのなくなった若き帝王マイルス。そんなマイルスとブルーノートの創業者アルフレッド・ライオンが毎年1枚アルバムを作ると口約束したのが1952年。しかし、その約束もマイルスがコロンビアと契約したことから、結局ブルーノートにはマイルス・デイビス オールスターズVol.1、2の2枚を録音したのみで終わる。
しかし、マイルスはライオンとの約束を忘れていなかった。1958年、キャノンボールをリーダーに立てる事によって、義理を立てようと考えた。マイルスは飽くまでサイドメンに徹しようとした。そのため、「Dansing in the Dark」では演奏からもはずれる。

演奏が終わり、エンジニアのヴァンゲルダーがマスターテープを箱に収納する。そしてライオンがその箱に書く。

「リーダー、マイルス・デイビス」

小春日和

空が透き通るように青い。外に出ても暖かく気持ち良い。
秋のこんな日はまさしく小春日和だ。

春でもないのに、小さな春のような気候。
湿度が低いから、春よりも空は濃い青色になる。
これから冬を迎え、厳しい寒さに耐える前のひと時の春のような緊張感の緩み。
小春日和とはよく言ったものだ。

真っ青な空を見上げると、気分まで透き通る気がする。

この汚れた東京の空だって、
真っ青な空をみんなそろって見上げたら、何かが変わるかもしれないけど。

Born in The USA

米大統領選は予想通りの大接戦で、これまた事前予想通りの激戦州での決着となりそうだ。

結局フロリダはブッシュが勝って、オハイオもブッシュ優勢の模様。今回はブッシュが全体の得票数でも上回っており(前回はゴアの得票数が上回っていた)、また今回から導入されている暫定投票で有効票の割合を考慮すると、ブッシュの勝利にほぼ間違いないと思われる。

株式市場、為替の動きに影響があるとの報道も多々あるが、上院、下院とも共和党が過半数を維持したため、仮にケリーが勝利したとしても大きな政策変更なんてできるはずが無いし、もともと両候補に大きな政策の違いなど最初から無いのだから。それにブッシュ勝利により、遠慮していたイラクでのテロリスト掃討作戦が本格的に始まり、イラク情勢は安定化に向かう可能性もある。

財政はケリーがやや縮小気味の政策のため、ブッシュ勝利のほうが株式市場には有利。また財政、貿易赤字の拡大傾向が続く事から、理論的にはどちらの候補が勝ってもドル安(円高)というのがコンセンサス。ただ、オハイオの結果が司法にまで持ち込まれるなど長引けば、株にはマイナス。

2000年に真っ二つに割れたアメリカ世論が、9/11で一つに結束し、ここでまた真っ二つに割れる事になる。

どちらが勝っても国民の半分を敵に回して国を治めなければならない。

今回、若者の投票が増えたと言われているにもかかわらず、ケリーの得票は予想ほどは伸びなかった。日本に限らず米国でも保守化の兆しがあるのかもしれない。




高校生のとき、スプリングスティーンのBorn in The USAを歌いながら歌詞もわからず、アメリカ礼賛の歌だと誤解していた。LPを買って歌詞を読んでみて愕然とした。(ボスは今回ケリーの応援演説に頑張っていた模様)


(三浦 久氏 訳)

死んだように生気のない町に生まれ 歩き始めるとすぐに蹴とばされた
最後にはたたきのめされた犬のようになり
人生の半分を人目を盗んで生きるようになる

俺は、U.S.A.で生まれた...

俺はこの町で小さな問題を起こし
彼らは俺の手にライフルを握らせ 外国へ送り込んだ
黄色人種を殺すために

俺は、U.S.A.で生まれた...

帰郷し、精油所へ行った
雇用係が言う、「私の一存ではどうにも」
退役軍人管理局へ行った
そこの男が言った、「まだ分からんのかね」

俺の兄貴はケ・サンでベトコンと戦った
彼らはまだ生きているが、兄貴はもういない
兄貴の好きな女がサイゴンにいた
彼女の腕に抱かれている彼の写真だけが残されている
刑務所のすぐとなり
精油所の燃え盛るガスの火の近く
この10年、煮えくり返る思いで生きてきた
全くのどんづまり、どこへ行くこともできない

俺はU.S.A.で生まれた...

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【追記】

1:30AM、CNNによるとケリーはブッシュに敗北を認める電話をしたとのこと。
泥沼化しなくて良かった。マーケットには非常にプラス。
個人的にはこれでよかったと思う。

いよいよ

いよいよ米大統領選の投票が始まる。

事前の世論調査によると両者全くの互角。アイオワ大学のオプション市場も僅差だし、世論調査から表読みをするelectoral-vote.comではケリーがかなり優位の状況に見えるが、激戦州のオハイオやフロリダ次第では一気に形勢が逆転する。

米国以外の人々の人気は圧倒的にケリーが優位

日本にとってはどちらが頼もしい大統領なのか?
内政干渉と非難されてキレていたどこぞの幹事長もいたが、こと日本の安全保障を考えるとアーミテージやウォルフォウィッツを抱えているブッシュチームの方が安心に決まっている。もし、ケリーが北朝鮮と二国間協議を始めたら、日本の立場はどうなるのか。拉致問題はどうなるのか。ケリーがおそらく中国にしか興味がないのに対して、ブッシュは日本をアジアで最重要の友好国と位置づけている。経済面ではケリーの保護主義寄りの政策が気にかかる。貿易摩擦の再燃と言うのは止して欲しい。現状はブッシュの経済チームが機能していないせいもあるかもしれないが。

明日の休日は選挙を楽しむことにします。

霜月

今日から11月。霜月。

「霜月」は文字通り霜が降る月の意味。霜とは、夜の間に地面が冷え、地面に接している空気が冷やされて、水蒸気が氷の粒になること。「霜が降りる」と言うが、実際には降りるものではない。しかし、冷蔵庫のフリーザーのように「霜がつく」ではいかにも味気ない。「霜が降りる」とは素敵な表現ではないか。

霜と言えば「霜柱」。
子供の頃、霜柱を踏みながら学校に行った。とりあえず霜柱を見つけると全部踏みつけて制覇するまでは、学校に行けずによく怒られた。今住む地域に霜柱はない。それどころか、都会の子供たちは道草をする自然の場所さえない。

靴の裏でサクサクを音を立てて崩れていく、霜柱が懐かしい。